いまさら聞けない「エコキュート」とは?お湯をつくる仕組みをやさしく解説

  • 「エコキュートという名前は聞いたことがあるけれど、ガス給湯器と何が違うのか分からない」
  • 「大きなタンクと室外機のようなものが置かれているけれど、何をしているの?」

エコキュートについて、このような疑問を持っている方もいらっしゃると思います。
エコキュートは、電気だけで直接水を温める設備ではありません。
屋外の空気が持っている熱を集め、その熱を利用してお湯をつくります。

難しく感じるかもしれませんが、身近なエアコンを思い浮かべると、仕組みを理解しやすくなります。

目次

エコキュートとは?

エコキュートは、空気中の熱を利用してお湯をつくる家庭用給湯設備です。
正式には「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」と呼ばれ、ヒートポンプという技術を使っています。

つくったお湯は、屋外に設置した大きなタンクにためておきます。
そして、お風呂やシャワー、キッチン、洗面所などで必要になったときに使用します。

エコキュートでは、主に二酸化炭素を冷媒として使用するヒートポンプ方式が採用されています。

ここでいう「冷媒」とは、冷たいものをつくるためだけの材料ではありません。
設備の中を循環しながら、熱を受け取ったり、別の場所へ運んだりする役割を持つものです。

エコキュートは「お湯をつくるエアコン」

エコキュートの仕組みを最も簡単に表現すると、次のようになります。

エコキュートは、お湯をつくるエアコンのような設備です。

エアコンの暖房は、屋外の空気から熱を集め、その熱を室内へ運ぶことで部屋を暖めています。

冬の冷たい空気に熱があると言われると、不思議に感じるかもしれません。
しかし、空気は気温が低い日でも熱エネルギーを持っています。

エアコンは、そのわずかな熱を集めて室内へ移動させています。
資源エネルギー庁も、エアコンのヒートポンプを、暖房時には屋外の空気の熱を室内へ移動させる仕組みとして説明しています。

エコキュートも、基本的な考え方は同じです。

ただし、エアコンが集めた熱で部屋の空気を暖めるのに対し、エコキュートは集めた熱で水を温めます。

つまり、

エアコンは空気を暖める設備

エコキュートは水を温める設備

と考えると分かりやすいでしょう。
エコキュートにエアコンの室外機とよく似た機械が付いているのも、同じヒートポンプの仕組みを利用しているためです。

外の空気から、どのように熱を集めるの?

エコキュートは、屋外の空気をそのまま圧縮してお湯をつくっているわけではありません。
屋外の空気から熱を受け取るのは、設備の中を循環している「冷媒」です。

冷媒が空気中の熱を受け取り、その冷媒を圧縮機でギュッと圧縮すると、温度が高くなります。
高温になった冷媒の熱を水へ渡すことで、お湯をつくります。

ここで大切なのは、エコキュートが新しく熱をゼロからつくっているだけではなく、もともと空気中にあった熱を集めて運んでいるという点です。

この「熱をくみ上げて別の場所へ運ぶ」働きから、ヒートポンプと呼ばれています。

エコキュートがお湯をつくるまでの流れ

エコキュートがお湯をつくる流れを、順番に見てみましょう。

1.屋外の空気から熱を集める

室外機に似たヒートポンプユニットが、屋外の空気を取り込みます。
ユニットの中を流れる冷媒が、空気の持つ熱を受け取ります。

2.冷媒を圧縮する

空気中の熱を受け取った冷媒を、圧縮機で圧縮します。
気体は圧縮されると温度が上がる性質があるため、冷媒は高温になります。
エコキュートが圧縮しているのは、屋外の空気そのものではなく、内部を循環する冷媒です。

3.冷媒の熱で水を温める

高温になった冷媒の熱を、水へ移します。
ここで温められた水が、家庭で使用するお湯になります。

4.つくったお湯をタンクにためる

温められたお湯は、隣に設置されている貯湯タンクへ送られます。
タンクの中で保温され、入浴やシャワー、キッチンなどでお湯を使ったときに供給されます。

5.冷媒の温度を下げて再び熱を集める

水へ熱を渡した冷媒は、圧力を下げることで温度が下がります。冷たくなった冷媒は、再び屋外の空気から熱を受け取ります。

この流れを繰り返すことで、エコキュートはお湯をつくり続けています。

まとめると、次のような循環です。

STEP
空気中の熱を集める

STEP
冷媒を圧縮して高温にする

STEP
冷媒の熱で水を温める

STEP
つくったお湯をタンクにためる

STEP
冷媒の温度を下げ、再び空気中の熱を集める

エコキュートでは、電気は主に冷媒を圧縮したり、ポンプやファンを動かしたりするために使われます。
電気と空気中の熱を組み合わせて利用することが、電気ヒーターで水を直接温める方式との大きな違いです。

室外機のような機械と大きなタンクの役割

エコキュートは、主に「ヒートポンプユニット」と「貯湯タンクユニット」の2つで構成されています。

ヒートポンプユニット

エアコンの室外機に似ている、比較的小さな機械です。
屋外の空気から熱を集め、冷媒を圧縮し、その熱で水を温める役割を持っています。
運転中には内部のファンや圧縮機が動くため、設置場所を決める際は、寝室や隣家との位置関係にも配慮します。

貯湯タンクユニット

ヒートポンプユニットでつくったお湯をためておく、大きなタンクです。
エコキュートは、必要な瞬間に水を温めるだけではなく、あらかじめつくったお湯をタンクにためて使用します。
タンクには、370リットルや460リットルなど、家庭の人数やお湯の使用量に合わせたさまざまな容量があります。
この2つを簡単に分けると、

室外機のような機械がお湯をつくり、大きなタンクがお湯を保管する

という関係です。

エコキュートの主なメリット

空気の熱を使って効率よくお湯をつくれる

エコキュートの大きな特徴は、空気中にある熱を利用できることです。
電気だけですべての熱をつくるのではなく、電気を使って空気中の熱を集めるため、効率的な給湯が期待できます。
ただし、実際の電気使用量や光熱費は、機種の性能、外気温、お湯の使用量、電気料金プランなどによって異なります。

火を使わずに給湯できる

エコキュートは電気で動くため、お湯をつくる際にガスや灯油を燃焼させません。
IHクッキングヒーターと組み合わせることで、家庭で使用するエネルギーを電気にまとめるオール電化住宅にも対応できます。

電気を使う時間を調整しやすい

一般的なエコキュートは、電気料金や家庭のお湯の使用状況に合わせて、あらかじめ設定した時間帯にお湯を沸かします。
従来は夜間に沸き上げる使い方が中心でしたが、最近は太陽光発電の電気を利用するため、昼間に沸き上げる機種や機能も増えています。

災害や断水時にタンク内の水を利用できる場合がある

機種によっては、断水時などに貯湯タンク内の水やお湯を生活用水として取り出せます。
ただし、タンク内は高温になっている場合があります。
また、原則として飲料水としては使用できないため、実際に利用する際は取扱説明書を確認する必要があります。

設置前に確認しておきたい注意点

エコキュートは便利な給湯設備ですが、住宅や生活スタイルによって適した機種が異なります。

設置スペースが必要

エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの2つを設置します。
そのため、本体を置く場所だけでなく、搬入経路、配管経路、基礎の状態、点検スペースなども確認しなければなりません。
住宅の周囲が狭い場合には、薄型のタンクを選択できることもあります。

家族に合ったタンク容量を選ぶ必要がある

タンクが小さすぎると、家族が続けて入浴したときや来客時などに、お湯が足りなくなる可能性があります。
反対に、必要以上に大きなタンクを選ぶと、設置スペースや本体価格に影響します。
家族の人数だけでなく、シャワーを使う時間、入浴する時間帯、キッチンで使うお湯の量などを考えて選ぶことが大切です。

お湯切れの可能性がある

エコキュートは、タンクにためたお湯を使う設備です。
想定よりも多くのお湯を使うと、タンク内のお湯が不足することがあります。
その場合は追加で沸き上げますが、すぐに使えるお湯が増えるわけではありません。

普段の使用量を学習して沸き上げ量を調整する機種もありますが、容量選びは重要です。

水圧は機種や住宅によって異なる

エコキュートは、機種によって給湯圧力が異なります。
2階や3階でシャワーを使用する場合や、2か所で同時にお湯を使うことが多い場合は、高圧タイプなども含めて検討します。

現在使用している給湯器と同じ感覚で使えるとは限らないため、交換前に確認しておきましょう。

運転音や風の向きに配慮する

ヒートポンプユニットは、運転時にファンや圧縮機が動きます。
寝室の近くや隣家との境界付近に設置する場合は、音や風の向きを考えた配置が必要です。
設備の性能だけでなく、住宅周辺の状況まで確認できる施工会社へ相談することが大切です。

エコキュートはどのような家庭に向いている?

エコキュートは、次のような方に向いています。

  • ガス給湯器や電気温水器の交換を検討している方
  • 給湯に使うエネルギーを見直したい方
  • オール電化住宅を検討している方
  • 太陽光発電の電気を家庭内で有効活用したい方
  • 家族のお湯の使用量がある程度把握できている方
  • 高効率給湯器の補助制度を活用したい方

一方、設置スペースが十分に取れない住宅や、お湯の使用量が日によって大きく変わる家庭では、慎重な検討が必要です。
ガス給湯器、電気温水器、ハイブリッド給湯機など、ほかの給湯設備も含めて比較すると、家庭に合う設備を選びやすくなります。

最近のエコキュートのトレンド

以前のエコキュートは、電気料金が比較的安い夜間にお湯をつくり、朝までにタンクへためておく使い方が一般的でした。
現在は、単に夜間にお湯をつくる設備から、家庭でつくった電気を上手に活用する住宅エネルギー設備へと変化しています。

太陽光発電の余剰電力でお湯をつくる

最近注目されているのが、太陽光発電で余った電気を使い、昼間にお湯をつくる機能です。
通常であれば売電する電気の一部を給湯に使うことで、太陽光発電の電気を家庭内で有効活用しやすくなります。

対応機種では、夜間の沸き上げ量を減らし、翌日の昼間へ沸き上げを移動させる機能などが用意されています。

「おひさまエコキュート」という選択肢

太陽光発電の電気を活用し、主に昼間にお湯をつくる「おひさまエコキュート」と呼ばれる製品も登場しています。

従来の夜間沸き上げ型とは運転する時間帯や適した電気料金プランが異なるため、太陽光発電の容量や家庭の電気使用状況を確認したうえで選ぶ必要があります。

天気や日射量の予報に合わせて運転する

太陽光発電と連携する機種の中には、翌日の天気予報や日射量予報を確認し、発電量が多くなりそうな時間帯へ沸き上げを調整するものがあります。

ただし、実際の発電量は天候、屋根の向き、太陽光パネルの設置状況などによって変わります。
必ず同じ効果が得られるわけではない点には注意が必要です。

スマートフォンから操作できる

無線LANに対応したエコキュートでは、スマートフォンアプリからお湯はりや追いだき、ふろ予約などを操作できる機種があります。

タンクのお湯の残量や給湯状況を確認できる製品もあり、外出先から帰宅時間に合わせてお風呂を準備するなど、利便性も高まっています。

利用できる機能や通信環境の条件はメーカー、機種によって異なるため、必要な機能を確認して選びましょう。

省エネ性能だけでなく快適性も重視されている

最近のエコキュートでは、省エネ性能に加えて、シャワーの水圧、配管洗浄、入浴時の快適機能なども進化しています。
一方で、機能が増えるほど本体価格が高くなる場合があります。

すべての機能が付いた機種を選ぶのではなく、家庭で本当に必要な機能を整理して比較することが大切です。

補助制度を利用できる可能性がある

2026年には、一定の条件を満たす高効率給湯器の導入を支援する「給湯省エネ2026事業」が実施されています。

エコキュートについては、対象製品として登録された機種を導入し、対象となる契約や工事などの条件を満たす必要があります。
基本要件を満たすヒートポンプ給湯機の補助額は1台当たり7万円で、所定の加算要件を満たす場合は10万円とされています。

補助制度には予算や受付期間があり、申請状況によっては早期に終了することも考えられます。

また、すべてのエコキュートが補助対象になるわけではありません。
利用を検討する場合は、契約や工事を進める前に、対象製品や申請条件について公式発表をご確認ください。

住宅に合った機種選びと施工が大切です

エコキュートは、空気中の熱を集めてお湯をつくる給湯設備です。

仕組みを簡単にまとめると、

エアコンが空気の熱を運んで部屋を暖めるのに対し、エコキュートは空気の熱を運んで水を温める

ということです。

室外機のようなヒートポンプユニットがお湯をつくり、大きな貯湯タンクがそのお湯を保管します。

近年は、太陽光発電の余剰電力を活用する機能、昼間に沸き上げるおひさまエコキュート、スマートフォンによる遠隔操作など、家庭のエネルギーをより効率的に使うための機能も増えています。

一方で、タンク容量、設置スペース、水圧、配管経路、電気料金プラン、太陽光発電の有無などによって、適した機種は異なります。

株式会社アースエコプロジェクトでは、エコキュートの設置・交換をはじめ、太陽光発電、蓄電池、V2H、IH、各種電気工事について、東海エリアを中心にご相談を承っています。

現在お使いの給湯器から交換できるか知りたい方や、ご家庭に合ったタンク容量、太陽光発電と組み合わせた使い方について相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。

販売店、工務店、事業者様からのエコキュート設置工事や電気工事のご相談にも対応しています。

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